『高速道路での運転、3つの重要なポイント』その3
今回も質問から始めましょう!
では問題!エンジンブレーキとは、何でしょう??
「うーん、エンジンのブレーキ!」
自動車学校で教習をしているときに、それとなく教習生に聞いてみると、苦し紛れにこんな答えが返ってくる時があります。一見正解のようで、合っていない!この言葉では意味がまったく分かりませんが、一生懸命考えてもらったので、ついニコニコしてしまいます。
そこで、ちょっとおさらいをしてみましょう。とは言っても、今回は構造的な部分の解説ではありませんので、ものすごく単純な説明をします。
アクセルを踏んで動いているときに、ペダルを離すと、ちょっと抵抗を感じながらスピードが落ちる場合があります。この現象がエンジンブレーキです。
つまり、エンジンブレーキというのは、装置ではなく、現象のことなのです!
ちょっと思い出していただけたでしょうか?
では、これと高速道路、どんな関係があるのでしょうか?一見関係がない気がしますが、実は大アリなのです。
『なぜ、高速道路でエンジンブレーキを使うのか?』
この理由は、以下の通りになります。
・ブレーキの性能の低下を防ぐ
・事故や渋滞を防ぐ
ブレーキなんて、性能は低下しないのでは?と、思いがちですが、そんなことはありません。確かに、昔のクルマを思えば、劇的な進化を遂げていますので、熱を持ってしまってブレーキが利かないということは、めっきり少なくなりました。ただし、全くないとも言えません。
昔、教習指導員の資格を取るときに、
「加減速の練習のために50分外周でも回ってろ!」
という指令を受け、嬉々として教習車(トヨタのコンフォート)で律義に50分ハードブレーキを繰り返したら、見事にブレーキが焼けました。
「やりすぎだ!」
と怒られました。
ここでの最も大きな理由は、事故、渋滞を防ぐ、ということにあります。高速道路での交通事故原因は、約6割が追突です。交通量の多い時に、ガツンとパンチを利かせたブレーキを踏もうものなら、結構危ない目に遭うこと請け合いです。また、必要ないときにやたらブレーキを踏むと、その後ろが次々にブレーキを踏んで、それが渋滞を引き起こしてしまいます。
以上の理由から、高速道路では、エンジンブレーキをうまく活用する必要があるのです!
『エンジンブレーキはどうやって使うのか?』
エンジンブレーキの使い方は、次の2つに分かれます。
①アクセルペダルを戻す(離す)
②シフトダウンなど、ギアチェンジをする
まず、単純だが使用頻度が高い方法は、①になります。本線車道を100キロくらいで走行しているときにある程度前車との間に距離がある場合、かなり有効です。アクセルペダルのオン・オフのみなので、楽ですし、減速が緩やかなので、快適さを失わずに速度調整ができるので、これを使いこなすと、かなりスマートな走りになります。
ただし、良くも悪くも減速が緩やかなので、この方法では間に合わない場合もありあます。そこで登場するのが②です。これは、ギアを変えるチェンジレバーを動かしてエンジンブレーキを作る方法になります。①よりも強力にかかり、車種によってはエンジンブレーキの強さもギアによって調整できます。いきなり低いギアに入れると、ギクシャクしてしまいます。
それでも間に合わない、という場合は、ブレーキペダルを踏みましょう!
『まとめ』
今回は、エンジンブレーキの活用について考えてみました!以上で、高速道路における3つのポイントシリーズはおしまいです!しかし、これだけでいいわけではありませんので、今後、色々考察をしていきたいと思います。では、また次回お会いしましょう!!